2013年5月19日日曜日

君は、おでき薬局を見たか

 大田区大森のフィットネスジムに通い始めました。 
 ある晩、汗を流したあとに、ふと横の電柱を見ると。 




 昔、山手線沿いの鉄柱に「大森 おでき薬局」という看板がくくり付けられていたのを思い出しました。「ノザキのコンビーフ」と並んで、都民にサブリミナル効果を及ぼしていた看板です。 

 ここに、あったんだ。実物が。 

 日を改めて「この先↑」を探検です。 



 駅前の商業地域を離れて、普通の住宅街に入ってしまいました。だんだん不安になってきたところに…… 





 中は普通の薬局です。皮膚病薬ばかり扱っているわけではありません。 
 棚から「メガネクリーナふきふき」を取って、白衣を着た初老の紳士に話しかけます。 


「このお店は、何年前からあるんですか?」 
「そうですね、もう、七十年以上経ちますかね」 
「! すると、ご主人で……」 
「三代目になります」 
「線路脇の看板、昔たくさんありましたよね。まだあるんですか?」 
「まだあるはずですよ。もうずいぶん減ってしまいましたが」 


 気分はコロンブスか三蔵法師。夢を信じて良かった。 

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